概要・機能
KML ARビューアは、KML・GeoJSONファイルに含まれるラインやポイントを、 スマートフォンのカメラ映像上にAR(拡張現実)でリアルタイム表示するツールです。 現場で計画路線や測量点の位置を直感的に確認できます。
動作要件
本ツールはスマートフォン専用です。以下の機能が必要です。
標高データの仕組み
各座標の標高に応じてAR空間上の上下位置が決まります。標高の設定は以下の3パターンです。
使い方
ファイルを選択する
「ファイルを選択(複数可)」ボタンをタップして、KMLまたはGeoJSONファイルを選択します。
- KML: Google Earth等で作成したライン・ポイントデータ
- GeoJSON: GISソフトから出力したポイント・ライン・ポリゴンデータ
- 複数ファイルを同時に選択できます
- ファイルごとに自動で色分けされます
- ファイルリストの「×」ボタンで個別に削除できます
高度の設定を確認する
読み込んだデータの高度の種類を選択します。
- 標高: 地表面(ジオイド面)からの高さ。一般的なGISデータはこちら
- 楕円体高 (WGS84): GPS生値やWGS84楕円体高のデータの場合に選択
- 楕円体高を選択した場合、ジオイド高の入力欄が表示されます
AR表示を開始する
「AR表示を開始」ボタンをタップします。
- カメラ・位置情報の許可を求められたら「許可」をタップ
- GPSの測位が完了すると、データがAR空間上に表示されます
- スマホを動かして周囲を見回すと、実際の位置にラインやポイントが表示されます
AR画面で操作する
AR画面下部に常時表示される主要操作と、画面右下の歯車アイコンから開く設定モーダルがあります。
常時表示(画面下部):
- レイヤ切替: チェックボックスでレイヤごとに表示/非表示
- ズーム: 対応端末ではスライダーでカメラを拡大(遠方の機体確認用)
- 写真ボタン / 動画ボタン: 撮影・録画
設定モーダル(歯車アイコン):
- 表示距離: スライダーで表示範囲を50m〜2000mに調整
- 高さを反映: チェックボックスで高度差表示のON/OFF
- 名前表示: ラベルの表示/非表示を切替
- 自分の標高: 標高ソースを地理院DEM/GPS高度から選択
- KML高度: データの高度種類(標高/楕円体高)を切替
- ファイル追加: AR中にも追加ファイルを読み込み可能
- DEM上書: 全座標の標高を地理院5mメッシュDEMで一括上書き
- 元に戻す: DEM上書の結果を元の標高に戻す(DEM上書直後のみ有効)
写真撮影・動画録画
AR表示中に画面下部のボタンで撮影・録画ができます。
- 写真ボタン: AR合成画像をJPEGで保存します。GPS座標・方位・撮影日時がEXIF情報として埋め込まれます
- 動画ボタン: AR合成動画の録画を開始します。もう一度タップで停止し、動画ファイル(MP4/WebM)がダウンロードされます
- 録画中は経過時間が表示され、ボタンが赤く点滅します
設定項目
AR表示中の「自分の標高」セレクトボックスで、現在地の標高取得方法を切り替えられます。
- 地理院DEM: 国土地理院のDEMタイルから標高を取得(精度が高い)
- GPS高度: スマートフォンのGPSから取得した高度を使用。Android端末ではGPS高度は楕円体高のため、自動的にジオイド高を減算して標高に変換します
読み込むKML/GeoJSONファイルの高度データの種類を指定します。
- 標高: 一般的なGISデータ。平均海水面(ジオイド面)からの高さ
- 楕円体高: WGS84楕円体からの高さ。ジオイド高はJPGEO2024モデル(COG GeoTIFF)から自動計算され、標高に変換して表示します。手動で値を変更することも可能です
高度情報がないデータの場合、AR開始時に地理院標高タイルから自動的に標高が補完されます。 既存の高度をすべて地理院DEMで置き換えたい場合は、AR画面の「DEM上書」ボタンを使用してください。
ONで自分の標高との差を反映、OFFで全データを同じ高さに表示します。
「DEM上書」ボタンで、全座標の標高を国土地理院5mメッシュDEMの値に一括上書きします。 KMLの高度が不正確な場合や、統一基準で表示したい場合に使用します。
上書き後は「元に戻す」ボタンが有効になり、元の標高に復元できます。 上書きと元に戻すは排他的に切り替わります(上書き後はDEM上書ボタンが無効化されます)。
AR画面の「写真」ボタンでカメラ映像とKMLデータを合成した写真をJPEGで保存します。
- GPS座標(緯度・経度・高度)、撮影方位、撮影日時がEXIF情報として埋め込まれます
- ファイル名は「kml-ar-日時.jpg」の形式で自動生成されます
AR画面の「動画」ボタンで録画を開始・停止します。
- 対応形式: MP4(Safari/iOS優先)またはWebM(Chrome/Android)
- 録画開始時の端末の向きに合わせて、縦向き/横向きの解像度で出力されます
- 録画中は経過時間が表示され、ボタンが赤く点滅します
- 停止すると動画ファイルが自動でダウンロードされます
よくある質問
トラブルシューティング
- GPSの測位が完了するまでお待ちください(画面上部のGPS座標が表示されるまで)
- 表示距離の設定を確認してください。データが遠い場合は距離を大きくしてください
- レイヤの表示チェックがONになっているか確認してください
- KML/GeoJSONファイルにライン・ポイントデータが含まれているか確認してください
- GPSの精度を確認してください。精度が20m以上の場合は測位が不安定です
- 開けた場所に移動してGPS精度を改善してください
- コンパスのキャリブレーションを行ってください(スマホを8の字に動かす)
- 起動直後はコンパス補正に数秒かかります。しばらく待ってみてください
- KMLの高度の種類の設定が正しいか確認してください(標高 or 楕円体高)
- 「自分の標高」のソースを「地理院DEM」と「GPS高度」で切り替えてみてください
- 楕円体高のデータの場合、正しいジオイド高を入力してください(日本国内では約30〜40m)
- 「DEM上書」ボタンで全座標の標高を地理院DEMに統一できます
- 「高さを反映」をOFFにして平面的に確認することもできます